「教養としてのゲーム史」の読書レビュー
図書館で借りた「教養としてのゲーム史」という本のレビューをしていきたいと思います。
「名作」「傑作」とされるゲームはどこが凄かったのか。
新しいゲームジャンルはどのようにして確立されるのか。
それを教えてくれます。
固定画面の中で
ビデオゲームの歴史の始まりは、1970年代まで遡ります。
と、言っても1970年代です。という事はゲームの歴史というのはまだ50年にも満たないという事で、正直かなり意外に感じます。
ポン
一番初めのビデオゲームとして本書で紹介されているゲームは、「ポン」です。
二人で対戦するゲームで、それぞれがラケットを動かし、ボールをはね返し合うというものです。
これほどまでに単純なルールのゲームが、ビデオゲームを普及させる火付け役になるとは、驚きですね。
ブレイクアウト
これに続いて人気となったのが、「ブレイクアウト」です。
これもラケットを操作してボールを跳ね返すという部分は一緒です。何が違うかと言うと、これは相手のいない、"一人遊びゲーム"であるという事です。
戦う相手の代わりとなるのは、敷き詰められたブロックなのです。
所謂ブロック崩しってやつです。
スペースインベーダー
これはかなり有名ですね。
ブレイクアウトとの大きな違いはやはり「敵が攻撃してくる」という事。
この倒すか倒されるかという緊張感は、今までになかったものです。
パックマン
発売から30年以上経った今でも根強い人気があり、「史上最も成功した業務用ゲーム機」としてギネスブックにも登録されたパックマン。
迷路型のゲームとしては平安京エイリアンなどと同じタイプだが、パックマンの核となるのは「食べる」という行為です。
更に、パワーエサというアイテムを食べると、今まで追いかけ回してきた敵が急に弱体化し、反撃が出来るのです。
この「逆転」という要素が、マンネリ展開を打破し、人気へと繋がる重要なファクターとなったのです。
ドンキーコング
任天堂の様々なゲーム機やキャラクターは、これなくしては存在しなかったかもしれない。そんな一作がこの「ドンキーコング」です。
「主人公のマリオが、ゴリラにさらわれた恋人のレディを助けに行く」というのは、今も続くマリオシリーズの根幹をなす大切なテーマ。
今までに無かった「高さ」という概念も、マリオシリーズに於いては切っても切れない存在ですね。
スクロールが生み出す世界
固定画面にとどまっていたゲームの世界は、遂にスクロールという新たな境地を切り拓きます。
今までは長いマップを記憶するメモリーが高価でしたが、ハードの成長がその問題を解決しました。
"広さ"を得た「ゼビウス」
ゼビウスは空中と地上という二つのレイヤーを持ち、座標的には二次元しか扱う事の出来ない技術レベルでしたが、ソフト的な発想で三次元の空間をものにしています。
言わずと知れた超絶ヒット作「スーパーマリオブラザーズ」
スーパーマリオの基本設計は「ドンキーコング」と「マリオブラザーズ」のニコイチで、それぞれの長所が取り入れられています。
ジャンプしてブロックを突き上げる「マリオブラザーズ」要素、そして足場を渡り歩くアスレチックのような「ドンキーコング」要素。
そして上下左右に歩き回って自分だけのルートを築き上げていく楽しさもゲームの中に組み込まれています。
RPGと想像力のデザイン
「デジタルの冒険」の原点にあるTRPG
「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」といったゲームを指すRPGゲームは、元々は「CRPG(コンピューター用RPG)」の略称です。
その対になるゲームに「TRPG(テーブルトークRPG)」という、テーブルを囲んで人々が会話を交わして旅をするゲームがあります。
けれどこれをするのにはゲームマスターと呼ばれる人が様々な計算をせねばならず、それをコンピューターに肩代わりをさせるのは自然な流れと言えるでしょう。
経験値をアイテムに変えた「ドルアーガの塔」の革命
主人公の武器は剣で、身を守るのは盾。
「剣と盾」による単純な戦闘を、可能な限り奥深くしたアイデアがまず大きいです。
そして経験値を貯めてレベルアップするというRPGの主要素は、アイテムに置き換わっています。
アイテムの配置によって難易度やプレイ時間を変えることができるのがメリットです。
ストーリーを語り始めた「ドラクエ」
ドラクエがそれ以前のRPGゲームと一線を画しているのは、「一本道かどうか」ということです。
王様に使命を授かり、装備を買いそろえ、竜王を倒すというイベントを、順番通りにこなすという意味での「一本道」です。
そしてもう一つのポイントはプレイヤーを惹きつけるストーリー性です。
ある困難を突破すると次の困難が現れたり、人とコミュニケーションを取ったりという事は、まさにストーリー、「物語」と言えるでしょう。
以上です。
僕は元々ゲームが好きだし、「ゲームセンターCX」の"有野の挑戦"というコーナーが大好きで、レトロゲームにかなり興味があったので、かなり楽しめました。
ではまた('◇')ゞ