映画「舟を編む」を観たのでレビューする!
「舟を編む」という映画を観た。
辞書を作るという珍しい内容の映画ですが、個人的にすごく興味があり、かなり評判も良いみたいだったので、観てみることにしました。
見終えた今一言いうと、やはり良い映画でした。
今日はそんな「舟を編む」のレビューをしていきたいと思います。
概要
三浦しをんさんの小説を映画化したもの。
個性豊かな人々が、辞書編集部として新しく刊行される辞書「大渡海」を作っていく話。
主人公の馬締光也(松田龍平)は、変人と噂され、無機質である意味でユーモラスとも言えるような人物。
共に辞書編纂を行う西岡正志(オダギリジョー)は、コミュニケーション能力が高く、馬締とは対照的なタイプ。
"右"の語釈
"右"という言葉の意味を辞書で調べるとどうなるか?
最初にそんな謎が提示される。
辞書によっても様々な語釈が存在するようだが、「大渡海」を編纂するうえでは模倣する事は避けているらしい。
ふと、辞書に於ける「右」の存在意義とは?と思ってしまった。
"右"に限らず、誰がこの言葉を辞書で引くのだろうかと思うものが多数存在する。
ら抜き言葉や若者言葉
この映画の中で作られる辞書「大渡海」は、新しいものであることにこだわりがあるので、ら抜き言葉や若者言葉("ヤバい"や"チョー"など)を含めるかどうかということに焦点が当てられる。
そういった新しい、悪い言い方をすれば崩れた言葉でも、できるだけ採用しようという事になる。
これは妥協ではない。
"恋"の語釈
馬締は、馬締が暮らす下宿の大家の孫娘に恋をする。
そのことを知った編集部は、馬締に"恋"の語釈を任せる。粋な事をするものだ。
因みにその語釈がまた傑作だが、ここではネタバレになるので控えておく。
辞書が出来るまでにかかる年月
この映画の中では「大渡海」は13年かかって作られたことになっている。
13年でも驚きではあるが、更に昔はもっと時間がかかっていたらしく、日本初の近代的国語辞典である「言海」は、完成するまでに50年かかっているらしい。
他の様々な分野で考えても、半世紀もの年月をかけて造られるものはそう多くない。
思ったのが、辞書を作るうえで厄介なのが、(これを厄介と言ってしまうのも誤解を招くかもしれないが)時代が移り変わるという事は、「言葉」も変わっていくということだ。
先ほど言った若者言葉というものが生まれる事もあれば、科学の発展などによって新しく出来る言葉もある。年月をかければ、それだけ新しい言葉をその都度追加しなければならないという難しさだ。だからこそ時間が掛かるというのもあるかもしれない。
以上です。
自分もブログを書いている以上言葉には親しみを持つべきであるし、現に持っているつもりではあります。
そんな自分にとっては大きな刺激となる作品でした。
ではまた('◇')ゞ