「哲学ってどんなこと?」読書レビュー
「哲学ってどんなこと?」という本を読んだ。
サブタイトルには、「とっても短い哲学入門」と書いてある。
確かに、ページ数だけ見れば短い。たったの145ページだ。
しかし、体感的には300ページ位のものを読んだ位の衝撃があり、記憶に残るものがある。
哲学の本はこれの前に「いちばんやさしい哲学の本」というのを読んだが、正直この「哲学ってどんなこと?」の方が、より哲学を感じることができると、個人的には思った。(まぁ勿論、どちらも氷山の一角ではあると思うが)
今回はこの本を読んで特に印象に残った部分を、挙げていきたいと思う。
どうやって私たちは何かを知るのだろうか
これは二つ目のチャプターのタイトルだ。
このチャプターで語られているのは、「私たちはどうやってこの世界が存在することを、他人に意識が存在する事を、証明できるのだろうか?いやできない(反語)」という事だ。
あなたの心の内部以外のものは何も存在しないとしても、それはあなたが知っているどんなこととも矛盾しません。
引用元:哲学ってどんなこと?
私たちは普段から、実際には存在しないかもしれないものを見て、実際には存在しないかもしれない人と話しているのかもしれない。
人や物が存在している事を、私たちが何とかして手に入れることが出来るいかなるものも、そのことを証明できないのは、当たり前だけど無意識に目を背けているようなことでもありますね。
自由意志
私たちは普段の生活の中で、ありとあらゆる選択、決断をしている。
けれどそれらは本当に、私たちの意思で選択、決断したのだろうか?
自由意志というのは本当に存在しているのだろうか?
私たちの行為以前に存在する環境が私たちの行為を決定し、それを不可避的なものにするのです。
引用元:哲学ってどんなこと?
この見解は「決定論」と呼ばれている。
つまり私たちは、私たちが自分の考えや信念に基づいて行動していると思いこんでいるけれど、実際には私たちのあらゆる選択は、過去のものも、そして未来のものも、全て選択"させられて"いる、ということ。
これは他人についても言える。
他人が何か失敗をしたこと、あるいは故意に行った善いこと、悪いことは全て、その人にとっては不可避だったと言える。つまり責任を問えない、という見解。
ただし物理学の「不確定性原理」が、決定論を根底から揺るがす脅威となっているという話も聞いたことがある。
死について
"死"についても、哲学では様々な議論がなされているというのは、前回読んだ哲学書「いちばんやさしい哲学の本」を読んでも明らかだった。
まぁ哲学者でなくても、死について考えない人間はいないだろう。
もし死がよいことであるならば、それは死には(退屈や苦痛のような)何か悪いことがないからにちがいありません。
またもし死が悪いことならば、それは死には(興味深い経験や快適な経験のような)何かよいことがないからにちがいありません。
引用元:哲学ってどんなこと?
多くの人にとって死が悪いことであるように感じるのは、やはり生きることというのはネガティブな要素よりポジティブな要素が上回っている事を示しているのだろう。
過去に存在しなかったことは、恐ろしくも何ともないのに、これから存在しなくなるという見込みは、少なくとも多くの人にとっては恐ろしいものなのです。
引用元:哲学ってどんなこと?
死というのは、生まれる前の状態に戻ることなのかもしれない、と思う事が出来れば、死に対する恐怖は薄れるのかもしれない。
読書メーターに載せた感想
2019年一発目の本は哲学の入門書。 このことがどんな意味を持つのだろうか。この一年に何か影響を及ぼすのだろうか。(哲学っぽく疑問形で)
書いている内容は哲学なので難解な部分もあるのだが、目を通していると不思議と全体からニュアンスが伝わってくる。これは訳が良いからだろうか、内容が良いからだろうか。(多分どちらも正しい)
心の奥底に泥沼のように溜まっていた観念や疑念が、ふと輪郭を持って浮き出てくるような、不思議な感覚と衝撃。 哲学にまた一歩興味が出てきた。
以上!
今年は沢山読書して、レビューするぞー!
ではまた('◇')ゞ